①逆さ富士 田鏡に映る山
お米一粒には七人の神様が宿るという。
水、土、風、虫、太陽、雲、作り手である
水張田(みはりだ)は鏡のごとく、糸島富士こと可也山を映す。
「山の神様」が豊穣のため、「田の神様」として里へ下りてくるという。
心静かに豊穣を祈る曙のとき。
②早苗田 田鏡に揺れる早苗田
水無月の朝
里の仲間と力をあわせ、田植えに臨む。
田鏡に風に揺れる早苗。
里山の可也山 静かに見守る。
③青波田(あおたなみ) 稲の無事の成長を祈るとき
葉月の日盛りのとき
稲は育ち、風吹けば青い波のごとき表情をみせる
青空に 雲沸き起こり 嵐の気配
神奈備に 稲の無事の成長を祈るとき
④豊穣の秋 天高く雲ひとつない秋晴れのとき
長月のころ
実るほど頭が下がる稲穂かな
天高く雲ひとつない秋 糸島では収穫の時期
「田の神様」が豊穣を見届けて山へ帰っていくとき
⑤種まく人 巡る季節のなかで
霜月薄明のとき
田の土を耕起したあと、種まく人の後ろを 鷺たちがついていく
土の中にいた虫やミミズといったエサをついばむため
農家の営みを静かに見守る可也山
⑥山里夕景 北帰行するなべ鶴
如月の夕暮れどき
北帰行するなべ鶴が翔ぶ冬の空
橙色に染まり、可也山のシルエットがくっきりと
麦踏みにより、根を強く張らせ、徒長を防がんとする。
⑦青麦野 星の煌めきの下
卯月の夜更け
オリオン座をはじめ 満天の星
青麦野の拡がる糸島の地。
星明かりに照らされる蒼き可也山
⑧麦秋の月 もうひとつの収穫のとき
皐月の春宵のとき
短き二毛作の糸島の麦秋
夜空には黄金色のお月様が照らしている。
大地には黄金色の麦の穂が揺れている