①朝霧
夏の早朝、箱島の周りは朝霧に覆われている。色はなく、白みに覆われた世界は神様の気韻を感じることができ、厳かな気持ちになる。
②晴嵐
雲一つない青空に、凪いだエメラルド色の海は青空を映し出す鏡となる。
神様さまのやさしく、温和な霊力である和御霊(にぎみたま)をあらわしているかのようだ。人々に幸福をもたらす自然の恵みを素直に感じさせてくれる。
③夏雲
水平線の彼方に、積雲が広がりを見せながら空に高々と広がり始めた。ただ、眼前の海は静かに箱島を映し出す鏡のまま。
嵐の前の静けさとはこんな風景なのかもしれない。
④曇天
天は雲に覆われ、鏡のような海は波に覆われる。
⑤驟雨
突然の驟雨。雲は手の届くほど低くなり、周りは暗くなり、色が消えていく。シャワーのような恵みの雨が箱島に降り注ぐ。
⑥薄明光芒
雲の隙間から太陽の光が漏れ、放射状に広がっていく。天はまるで天使が下りてくるような明るさ。穏やかな海へと戻っていく。
⑦夕照
夕陽が沈むとき、空は橙色に染まり、鏡のような海もそれを映して橙色に染まる。箱島の松枝だけが常緑を保ちやがて、黒味をおびていく。
⑧黄昏
太陽が沈むと澄み切った大空は幻想的光景を魅せてくれる。「マジックアワー」と呼ばれるとき。愛染明王が現れたかのような濃い青と紫のグラデーションに空は彩られる。
⑨月照
満月は煌々と夜空で輝き、やさしく静寂の箱島を照らし出す。白い鳥居と箱島、そして満月の合わさるさまに、思わず手を合わせたくなる。