「ぼくらのまちがいさがし」は最初、私が沖縄県で経営している算数教室の教材として作りました。教室では授業の前半にクイズや障害者スポーツなどもしているのですが、間違い探しをすると子どもたちの集中力が高まるのですね。そこで「間違い探しで勉強できるものが作れないか」と考えたのが発端です。

　問題は教室の子どもたちと一緒に作っていきました。楽しんで取り組めるように、目指したのは「教科書の落書き」。ただの悪ふざけとしか言いようがない「一目で分かる間違い」と、普通の間違い探しにあるような「よく見ないと分からない間違い」を混在させています。「子どもたちを刺激する、ちょうどいいふざけ方」を見つけるのが難しかったですね。

　「文章をじっくり読んでほしい」という狙いもあり、解説文に間違いを仕込んだのもこの本のユニークなところ。見つけるために何度もじっくり読むので、世界の名所や都道府県の特徴を自然に覚えてしまいます。また名物の間違いもあり、幅広い知識を得られます。

　教材として制作した本ですが、お孫さんがいる年代の人にも好評です。自分一人でじっくり解くのもいいですが、誰かと一緒にするとワイワイ盛り上がりますよ。