1.青もみじ 薄緑の葉に若々しさ
春になれば、大カエデは葉を茂らせ始める。どっしりと張った根から水や養分を吸い上げ、太い幹から枝葉に養分を行き渡らせる。その葉は薄緑色で、長寿にもかかわらず若々しさすら感じさせる。
2.黄紅葉 精いっぱいの営み
色あせていくのではない。そのとき、そのときの、最も美しい姿を表しているのである。自然は、いつも精いっぱいの営みをしている。
3.橙紅葉 命を受け継ぐ姿見せ
美しさとは、どのように生まれてくるのだろう。葉に含まれる栄養素は翌春のため、幹や枝に回される。その過程で起きる色の変化。命を受け継いでいく姿は美しい。
4.赤紅葉 寒さが鮮やかさを生み
秋になれば、大カエデは赤子の手のような葉を赤く染め上げる。日差しを浴び、寒い日が続くと鮮やかになるといわれている。その美しさはしばし時を忘れさせる。
5.色即是空 五百羅漢の世界現れ
葉を落としていく大カエデ。心に焼き付いた鮮やかな世界が、やがて消えていく。色即是空を感じるとき、五百羅漢の心を思い起こす。
6.空即是色 心に映る美しさ
やがて、冬を迎え、もみじは葉を落とし、枝と幹だけとなる。残された太い幹と枝は大樹の勁(つよ)さを感じさせる。空即是色。大カエデの美しさが心の中に映る。